
神足歩行術とは、
神足歩行術(しんそくほこうじゅつ) 巻物
この巻物は、幕末の豪商で文化人でもあった竹川竹斎が身につけた「神足歩行術」の奥義が書かれたもので、三重県・松阪市の竹川家に保管されています。1日何千里を走っても疲れないことから、伊賀や甲賀の忍者も神足歩行術を使っていたとされています。竹川竹斎藤はこの術を使い、伊勢と江戸を3日間で往復したと伝えられています。また、神足歩行術は、古流武術や忍術書の中で語られる「常人には不可能なほど速く、遠く、静かに移動する技法」を象徴する言葉です。実際には超能力ではなく、身体操作・呼吸法・地形利用・心理戦などを組み合わせた総合的な移動術でした。
神足歩行術は、忍者文化や武芸の世界で語られる“超人的な移動術”の総称で、いわば「人間離れした速さ・静かさで移動する技」ともいえます。


竹川竹斎と射和文庫について

竹川竹斎と射和文庫(たけかわちくさいといざわぶんこ)
竹川竹斎は幕末の豪商で、幕末を切り拓いたことでも有名です。国学や農政学を修めた竹斎は、勝海舟や小栗上野介忠順ほか政治顧問という立場で明治維新とも大いに関わりを持ちました。また、竹斎は私財を投じて、私立図書館の草分けとなる射和文庫を開設しています。「いかで、壱万ばかりの書をあつめて、志ある人には心やすくよませ」
との考えから、1万冊以上の書籍や文献が収蔵されていました。現在は非公開ですが、竹川家には多くの書籍や文献、今回展示している巻物などが大切に保管されています。


資料提供・出典協力:射和文庫
